内釜の厚さは何mm?8社72機種中64機種に数値・仕様表にあるのは2社だけ
炊飯器8社72機種の内釜の厚み(mm)くらべ
- 8社72機種のうち、内釜の厚みを数値で出していたのは64機種。呼び名だけで数値が無いのが4機種、内釜そのものに触れていないのが4機種でした
- ただし仕様表(スペック表)の中に厚みの欄を持っているのは象印とパナソニックの2社31機種だけ。タイガーは機能マーク、東芝は機能一覧、三菱電機は製品一覧、アイリスオーヤマは特長ページ、シャープはラインアップの紹介文と、5社は仕様表の外に置いています
- 数字の物差しも社ごとに違います。釜全体の厚みを書く52機種は1.5〜5.0mm、東芝は「釜底厚さ」5〜7mm、三菱電機の10mmは「釜底中央部」。10mmと2.2mmを並べて比べることはできません
この記事で比べた商品
象印 NL-BY05
釜厚5.0mm。今回の52機種でいちばん厚い数字が、3合のマイコン機だった
価格は販売ページで確認
- 釜全体の厚みとして数字が出ている52機種で、5.0mmは最も厚い記載です
- 「熱が側面まで伝わりやすく、広く浅めの形状『5mmの黒厚釜』」と、厚みと形をセットで説明しています
- 3合炊きのマイコン機で、5.5合・1升の機種より釜そのものが小ぶりです
三菱電機 NJ-BW10J
10mmは今回の最大値。ただし「釜底中央部」の数字
価格は販売ページで確認
- 今回集めた72機種で最も大きい数字で、測った場所まで「釜底中央部(泡昇り釜底)」と明記しています
- 数字を出すときに場所を書く、という点では、今回いちばん親切な書き方でした
- この10mmは製品一覧ページに載っていて、NJ-BW10J 自身の製品仕様ページには厚みの欄がありません
パナソニック SR-N310E
約1.6mmは今回の薄い側。それでも仕様表で読める
価格は販売ページで確認
- 仕様表の中に「釜厚 約1.6mm」の行があり、買う前にブラウザで読めます
- 同じ仕様表に内釜の名前・内面コート・外面まで並んでいて、厚み以外の材料もそろいます
- 約1.6mmは、52機種のうち薄いほうから4番目です。同社の上位ダイヤモンド竃釜(約2.2mm)とは0.6mmの差があります
炊飯器の売り文句には「厚釜」「特厚釜」「大火力かまど釜」が並びます。では何ミリなのか。棚の前で読んでも、たいていそこには書かれていません。
そこで、メーカー公式サイトのページを開いて、内釜の厚みが数字で書かれているかどうかを1機種ずつ確かめました。象印・パナソニック・タイガー・三菱電機・東芝・アイリスオーヤマ・シャープ・日立の8社72機種です(2026年8月19日確認)。
こつぶ「呼び名と数字を混ぜないで数えたら、公表のしかたが社ごとにばらばらでした」
先に結論——数値は64機種にあった。ただし仕様表の中にあるのは2社だけ
- 8社72機種のうち、内釜の厚みを数値で出していたのは64機種。呼び名だけで数値が無いのが4機種、内釜そのものに触れていないのが4機種でした
- 数値をまったく出していない社は、今回の調べ方では見つかりませんでした。8社すべてが、どこかの機種で数字を出しています
- ところが置き場所が違います。仕様表(スペック表)の中に厚みの欄を持っているのは、象印とパナソニックの2社31機種だけでした
- 残る5社は仕様表の外です。タイガーは商品ページの機能マーク、東芝は機能一覧ページ、三菱電機は製品一覧ページ、アイリスオーヤマは特長ページ、シャープはラインアップの紹介文に置いています
- 物差しもそろっていません。釜全体の厚みとして書いている52機種は1.5mmから5.0mm。平均は約2.26mm、真ん中の値は2.0mmでした
- 東芝の6機種は「釜底厚さ」で5〜7mm、三菱電機の本炭釜2機種は「釜底中央部10mm」。同じmmでも測っている場所が違うので、10mmと2.2mmを並べて順位はつけられません
- いちばん厚い数字が出ていたのは、いちばん安い側の機種でした。象印 NL-BY05 は3合のマイコン機で釜厚5.0mm。同社の旗艦・炎舞炊き NW-NB10 は2.2mmです
厚みの数字は3種類ある——「釜厚」「なべ厚」「釜底厚さ」
数字を集めていて先に困ったのが、欄の名前でした。
| 表記 | 使っている社 | 意味するところ |
|---|---|---|
| 釜厚 | 象印、パナソニック | 釜の厚み。象印は「釜のふち厚さ」を別に併記する機種がある |
| なべ厚 | タイガー | 機能マークの名前。「なべ厚約2mm」「なべ厚特厚約3mm」の形 |
| 厚さ | パナソニック SR-AX1、アイリスオーヤマ | 「1.5mm」「厚さ3.1mm」 |
| 釜底厚さ | 東芝 | 釜の底の厚み。側面が同じ厚みという意味ではない |
| 釜底中央部 | 三菱電機(本炭釜) | 底の、さらに中央だけの厚み |
象印 NW-NB10 の仕様表は、この違いを自社の中で見せています。同じ釜について「釜厚 2.2mm」と「釜のふち厚さ 3mm」を別の行で書いているからです。NW-UU07 になると「釜厚 2.2mm/釜のふち厚さ 8mm」で、ふちだけが4倍近くになります。
つまり内釜は、場所によって厚みが違う立体物です。1つの数字で代表させている時点で、どこを測ったかを見ないと意味が定まりません。
こつぶ「10mmと2.2mmを並べて『4倍厚い』とは言えませんでした。測っている場所が違います」
釜全体の厚みを出している52機種の一覧
薄い順です。すべてメーカー公式の記載で、「約」の有無も原文どおりにしています。
| 順 | メーカー | 型番 | 容量 | 内釜の名前 | 厚みの記載 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | パナソニック | SR-AX1 | 自動計量IH | ダイヤモンド釜 | 1.5mm |
| 2 | タイガー | JPW-K100 | 5.5合 | 遠赤黒厚釜 | なべ厚約1.5mm |
| 3 | タイガー | JPW-K180 | 1升 | 遠赤黒厚釜 | なべ厚約1.5mm |
| 4 | パナソニック | SR-N310E | 5.5合 | 備長炭釜 | 約1.6mm |
| 5 | パナソニック | SR-N210E | 5.5合 | 備長炭釜 | 約1.6mm |
| 6 | 象印 | NW-QA10 | 5.5合 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 7 | 象印 | NW-QA18 | 1升 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 8 | 象印 | NW-YB10 | 5.5合 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 9 | 象印 | NW-YB18 | 1升 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 10 | 象印 | NW-SA10 | 5.5合 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 11 | 象印 | NP-ZX10 | 5.5合 | (名称を確認できず) | 1.7mm |
| 12 | 象印 | NP-ZX18 | 1升 | (名称を確認できず) | 1.7mm |
| 13 | 象印 | NP-RU05 | 3合 | 黒まる厚釜 | 1.7mm |
| 14 | 象印 | NP-GK05 | 3合 | 黒まる厚釜 | 内釜厚さ1.7mm |
| 15 | タイガー | JBH-G102 | 5.5合 | 遠赤黒厚釜 | なべ厚約1.7mm |
| 16 | タイガー | JBH-G182 | 1升 | 遠赤黒厚釜 | なべ厚約1.7mm |
| 17 | パナソニック | SR-C306E | 3.5合 | 備長炭釜 | 約1.8mm |
| 18 | パナソニック | SR-C206E | 3.5合 | 備長炭釜 | 約1.8mm |
| 19 | パナソニック | SR-KT060 | 3.5合 | 備長炭釜 | 2.0mm |
| 20 | タイガー | JPV-L100 | 5.5合 | 遠赤5層土鍋蓄熱コート釜 | なべ厚約2mm |
| 21 | タイガー | JPV-L180 | 1升 | 遠赤5層土鍋蓄熱コート釜 | なべ厚約2mm |
| 22 | タイガー | JPV-M100 | 5.5合 | 遠赤3層土鍋コート釜 | なべ厚約2mm |
| 23 | タイガー | JPV-M180 | 1升 | 遠赤3層土鍋コート釜 | なべ厚約2mm |
| 24 | タイガー | JPW-X100 | 5.5合 | 遠赤3層厚釜 | なべ厚約2mm |
| 25 | タイガー | JPW-X180 | 1升 | 遠赤3層厚釜 | なべ厚約2mm |
| 26 | タイガー | JPW-J100 | 5.5合 | 遠赤3層土鍋コート釜 | なべ厚約2mm |
| 27 | タイガー | JPW-J180 | 1升 | 遠赤3層土鍋コート釜 | なべ厚約2mm |
| 28 | パナソニック | SR-A110D | 5.5合 | 黒角厚釜 | 約2.1mm |
| 29 | 象印 | NW-NB10 | 5.5合 | 豪炎かまど釜 | 2.2mm(釜のふち3mm) |
| 30 | 象印 | NW-NB18 | 1升 | 豪炎かまど釜 | 2.2mm(釜のふち3mm) |
| 31 | 象印 | NW-UU07 | 4合 | 炎舞炊きの内釜 | 2.2mm(釜のふち8mm) |
| 32 | 象印 | NW-MC07 | 4合 | 鉄器コート黒まる厚釜 | 2.2mm |
| 33 | パナソニック | SR-X910E | 5.5合 | ダイヤモンド竃釜 | 約2.2mm |
| 34 | パナソニック | SR-X918E | 1升 | ダイヤモンド竃釜 | 約2.2mm |
| 35 | パナソニック | SR-X710E | 5.5合 | ダイヤモンド竃釜 | 約2.2mm |
| 36 | パナソニック | SR-N610E | 5.5合 | ダイヤモンド竃釜 | 2.2mm |
| 37 | パナソニック | SR-N510E | 5.5合 | ダイヤモンド竃釜 | 2.2mm |
| 38 | パナソニック | SR-N518E | 1升 | ダイヤモンド竃釜 | 2.2mm |
| 39 | 象印 | NL-BE05 | 3合 | 黒厚釜 | 2.5mm |
| 40 | 象印 | NL-BF05 | 3合 | 黒厚釜 | 2.5mm |
| 41 | タイガー | JPI-Y100 | 5.5合 | 遠赤5層特厚釜 | なべ厚特厚約3mm |
| 42 | タイガー | JPI-Y180 | 1升 | 遠赤5層特厚釜 | なべ厚特厚約3mm |
| 43 | タイガー | JPD-G060 | 3.5合 | 遠赤9層特厚釜 | なべ厚特厚約3mm |
| 44 | タイガー | JBS-A055 | 3合 | 遠赤黒特厚釜 | なべ厚特厚約3mm |
| 45 | シャープ | KS-CF05E | 3合 | 3mm厚釜 | 3mm |
| 46 | シャープ | KS-CF05B | 3合 | 3mm黒厚釜 | 3mm |
| 47 | アイリスオーヤマ | RC-ME30 | 3合 | 3層極厚銅釜 | 厚さ3.1mm |
| 48 | アイリスオーヤマ | RC-ME50 | 5.5合 | 3層極厚銅釜 | 厚さ3.1mm |
| 49 | アイリスオーヤマ | RC-MC10 | 10合 | 3層極厚銅釜 | 厚さ3.1mm |
| 50 | 象印 | NL-DT10 | 5.5合 | 黒厚釜 | 4.0mm |
| 51 | 象印 | NL-DT18 | 1升 | 黒厚釜 | 4.0mm |
| 52 | 象印 | NL-BY05 | 3合 | 黒厚釜 | 5.0mm |
52機種の合計は117.4mm。割った平均は約2.26mmで、薄い順に並べた真ん中の値は2.0mmでした。幅は1.5mmから5.0mmまでの3.5mm、比にすると約3.3倍です。
多いのは3つの数字に固まっています。1.7mmが11機種、2.2mmが10機種、2.0mmが9機種。この3つで52機種のうち30機種、およそ6割を占めます。
社ごとに並べ直すと、こうなります。
| メーカー | 機種数 | 幅 | 置いてある場所 |
|---|---|---|---|
| 象印 | 18 | 1.7〜5.0mm | 商品仕様(スペック)表の「釜厚」 |
| タイガー | 16 | 約1.5〜約3mm | 商品ページの機能マーク「なべ厚」 |
| パナソニック | 13 | 1.5〜約2.2mm | 仕様・スペック表の「釜厚」 |
| アイリスオーヤマ | 3 | 3.1mm | 銘柄炊きシリーズの特長ページ |
| シャープ | 2 | 3mm | 炊飯器ラインアップページの紹介文 |
幅がいちばん広いのは象印で、3.3mmぶん動きます。パナソニックは1.5mmから約2.2mmと、0.7mmの中に13機種が収まりました。
「釜底」で書いている12機種は、別枠で読む
東芝と三菱電機は、釜全体ではなく底の厚みを出しています。数字が大きいのはこのためです。
| メーカー | 型番 | 内釜の名前 | 厚みの記載 |
|---|---|---|---|
| 三菱電機 | NJ-BW10J | 本炭釜 紬 | 釜底中央部10mm |
| 三菱電機 | NJ-VW10J | 本炭釜 | 釜底中央部10mm |
| 東芝 | RC-10ZWA | 備長炭かまど丸釜 | 釜底厚さ7mm |
| 東芝 | RC-10MGA | 備長炭かまど丸釜 | 釜底厚さ7mm |
| 東芝 | RC-10SGA | 備長炭かまど丸釜 | 釜底厚さ7mm |
| 東芝 | RC-10PGA | 銅かまど丸釜 | 釜底厚さ5mm |
| 東芝 | RC-10HGA | 銅かまど丸釜 | 釜底厚さ5mm |
| 東芝 | RC-10HPA | 銅かまど丸釜 | 釜底厚さ5mm |
| 三菱電機 | NJ-VP10J | 炭炊釜 | 3.5mm |
| 三菱電機 | NJ-VL18J | 炭炊釜 | 3.5mm |
| 三菱電機 | NJ-VS10J | 炭炊釜 | 2.0mm |
| 三菱電機 | NJ-SE06H | 2層厚釜 | 2.0mm |
三菱電機の6機種のうち、測る場所が書いてあるのは本炭釜の2機種だけです。「釜底中央部10mm(泡昇り釜底)」とあります。残る4機種の3.5mm・2.0mmには場所の但し書きがなく、釜全体なのか底なのかを今回の読み取りでは判断できませんでした。だからこの4機種も、上の52機種には入れていません。
東芝は6機種すべてが「釜底厚さ」でそろっています。7mmが3機種、5mmが3機種。内釜の名前が「備長炭かまど丸釜」なら7mm、「銅かまど丸釜」なら5mmと、名前と数字がきれいに対応していました。名前を見れば厚みが分かる、数少ない社です。
もう1つ、三菱電機で気になった点があります。本炭釜 NJ-BW10J の10mmは製品一覧ページに載っていますが、同機種の製品仕様ページには厚みの欄がありません。いちばん大きな数字を、いちばん細かいページに載せていないという並びです。
厚い釜は上位機種のしるし、ではなかった
いちばん驚いたのはここです。厚い数字が並んでいたのは、安い側の機種でした。
象印の中だけで並べてみます。
| 型番 | 加熱方式 | 容量 | 釜厚 |
|---|---|---|---|
| NL-BY05 | マイコン | 3合 | 5.0mm |
| NL-DT10 | マイコン | 5.5合 | 4.0mm |
| NL-BE05 | マイコン | 3合 | 2.5mm |
| NL-BF05 | マイコン | 3合 | 2.5mm |
| NW-NB10 | 圧力IH(炎舞炊き) | 5.5合 | 2.2mm |
| NW-QA10 | IH | 5.5合 | 1.7mm |
マイコン機のほうが厚く、旗艦の圧力IH機のほうが薄い。逆向きです。
理由まではメーカー資料から確認できませんでしたが、読める形はあります。マイコン式は釜の外側からヒーターで熱を伝えるので、釜そのものに熱を溜めさせる作りが効きます。IH・圧力IHは釜自体を発熱させ、圧力もかけるので、厚みで熱を溜める必要が薄れる。象印が NL-BY05 の特長で「熱が側面まで伝わりやすく、広く浅めの形状『5mmの黒厚釜』」と書いているのも、この向きです。
パナソニックでも同じ並びが出ます。マイコン式の SR-A110D が約2.1mmで、IHの SR-N310E・SR-N210E が約1.6mm。方式が上でも釜は薄い側でした。
こつぶ「厚さで値段は測れませんでした。厚さは高級さではなく、熱の伝え方の設計です」
数値が無かった8機種
72機種のうち8機種は、厚みの数字を見つけられませんでした。2つに分かれます。
呼び名だけで数値が無い4機種です。
- タイガー JPG-S100:「本土鍋」「土鍋ご泡火炊き」とありますが、厚みの数字は今回開いたページにありませんでした
- タイガー JPF-A550:「5層遠赤特厚釜」。特厚という言葉はありますが、何mmかは書かれていません
- シャープ KS-S10J:ラインアップの紹介文に「黒厚釜で、芯までふっくら」。同じページの KS-CF05E は「3mm厚釜」と数字入りなので、書き分けているように見えます
- 日立 RZ-W100JM:「大火力 沸騰鉄釜」。日立は内釜の重さ(約790g)を数字で出している社ですが、厚みの数字は今回見つけられませんでした
内釜そのものに触れていない4機種です。
- タイガー JPA-X100:商品ページに加熱方式(可変W圧力IH+釜包みIH)はありますが、内なべの名前も厚みも見当たりませんでした
- シャープ KS-HF10B/KS-HF05B/KS-CS05J:ラインアップの紹介文に内釜の記載がありません。KS-CF05E の仕様/寸法ページにも内釜の欄そのものが無く、シャープは仕様表ではなく紹介文で書き分ける社でした
「特厚」という言葉の扱いには気をつけたいところです。タイガーの機能マークでは「なべ厚特厚約3mm」のように、特厚という言葉と数字がセットで出てきます。ところが JPF-A550 の「5層遠赤特厚釜」には数字がありません。同じ社の中でさえ、特厚が何mmを指すかは一定ではありませんでした。
3機種で見る、厚みの読み方
象印 NL-BY05|釜厚5.0mm。今回の52機種でいちばん厚い数字が、3合のマイコン機だった
5.0mm釜厚(黒厚釜・3合・マイコン)
- 釜全体の厚みとして数字が出ている52機種で、5.0mmは最も厚い記載です
- 「熱が側面まで伝わりやすく、広く浅めの形状『5mmの黒厚釜』」と、厚みと形をセットで説明しています
- 同社の旗艦・炎舞炊き NW-NB10 の2.2mmより厚い数字が、いちばん手が届く価格帯に置かれています
- 3合炊きのマイコン機で、5.5合・1升の機種より釜そのものが小ぶりです
- 厚みが5.0mmでも、圧力や火力の仕様は上位機と別物です。厚さだけで炊き上がりは決まりません
三菱電機 NJ-BW10J|10mmは今回の最大値。ただし「釜底中央部」の数字
10mm釜底中央部(本炭釜 紬)
- 今回集めた72機種で最も大きい数字で、測った場所まで「釜底中央部(泡昇り釜底)」と明記しています
- 数字を出すときに場所を書く、という点では、今回いちばん親切な書き方でした
- この10mmは製品一覧ページに載っていて、NJ-BW10J 自身の製品仕様ページには厚みの欄がありません
- 釜全体が10mmという意味ではないため、象印やパナソニックの「釜厚」と並べて比べられません
パナソニック SR-N310E|約1.6mmは今回の薄い側。それでも仕様表で読める
約1.6mm釜厚(備長炭釜・5.5合)
- 仕様表の中に「釜厚 約1.6mm」の行があり、買う前にブラウザで読めます
- 同じ仕様表に内釜の名前・内面コート・外面まで並んでいて、厚み以外の材料もそろいます
- 約1.6mmは、52機種のうち薄いほうから4番目です。同社の上位ダイヤモンド竃釜(約2.2mm)とは0.6mmの差があります
- 備長炭釜は名前に炭が入りますが、仕様表に書かれているのはコートの名前で、釜の素材そのものではありません
この記事が向かない人
厚い釜ほどおいしく炊けるのかを知りたい人には向きません。今回集めたのは公表されている厚みの数字だけで、5.0mmの機種が1.7mmの機種よりおいしいとも、その逆とも、この数字からは言えません。
社をまたいで順位をつけたい人にも、途中までしか答えられません。「釜厚」「なべ厚」「釜底厚さ」「釜底中央部」と物差しが4種類あり、東芝の7mmと象印の2.2mmは同じものを測った数字ではないからです。
内釜の重さや保証年数を知りたい人にも向きません。重さは内釜の重さを14機種で調べた記事、保証年数は内釜の保証を11機種で調べた記事に分けてあります。
層の数や材質の中身を詳しく知りたい人にも向きません。タイガーの「遠赤5層」「遠赤9層」、アイリスオーヤマの「3層」のように層数を出す社はありますが、どの層が何ミリなのかは、今回開いた範囲では公表されていませんでした。
よくある質問
Q. 炊飯器の内釜の厚さは何mmくらいが普通ですか
炊飯器の内釜の厚みは、メーカー公式ページに数値がある52機種で1.5mmから5.0mmまで開きます。平均は約2.26mm、真ん中の値は2.0mmでした。多いのは1.7mm(11機種)、2.2mm(10機種)、2.0mm(9機種)で、この3つで6割ほどを占めます。2mm前後がひとつの目安です。
Q. 「厚釜」と書いてあれば何mm以上という決まりはありますか
決まった基準は見つかりませんでした。同じ「厚釜」でも、象印 NL-BY05 は5.0mm、タイガー JPW-K100 は約1.5mmと3倍以上の開きがあります。呼び名は各社が自由につけているため、厚釜・特厚釜・大火力かまど釜といった言葉から厚みは読めません。数字が書いてあるかどうかで見るのが、いちばん確かな読み方です。
Q. 内釜が厚いほど高い炊飯器なのですか
逆の並びでした。象印では3合のマイコン機 NL-BY05 が釜厚5.0mmで、旗艦の圧力IH機・炎舞炊き NW-NB10 が2.2mm。パナソニックでもマイコン式の SR-A110D が約2.1mmで、IHの SR-N310E は約1.6mmです。マイコン式は釜に熱を溜めさせる作りなので厚くなり、IH・圧力IHは釜自体を発熱させるため厚みに頼らない、という向きに読めます。
Q. 東芝の7mmや三菱電機の10mmは、他社の2mm台より3倍以上厚いのですか
そうは読めません。測っている場所が違うからです。東芝の7mmは「釜底厚さ」、三菱電機の10mmは「釜底中央部」で、いずれも底の数字です。象印やパナソニックの「釜厚」は釜の厚みを指します。象印 NW-UU07 が「釜厚2.2mm/釜のふち厚さ8mm」と書いているとおり、内釜は場所によって厚みが変わります。
Q. メーカーの仕様表を見れば内釜の厚さは分かりますか
今回の8社では、仕様表の中に厚みの欄を持っていたのは象印とパナソニックの2社31機種だけでした。タイガーは商品ページの機能マーク、東芝は機能一覧ページ、三菱電機は製品一覧ページ、アイリスオーヤマは特長ページ、シャープはラインアップの紹介文に置いています。仕様表に無いからといって、公表していないとは限りません。
まとめ
- 8社72機種のうち、内釜の厚みを数値で出していたのは64機種。呼び名だけが4機種、内釜に触れていないのが4機種だった
- 仕様表の中に厚みの欄を持っているのは象印とパナソニックの2社31機種だけ。残る5社は機能マーク・特長ページ・製品一覧など、仕様表の外に数字を置いている
- 釜全体の厚みとして書かれている52機種は1.5〜5.0mm。平均は約2.26mm、真ん中の値は2.0mm
- 多いのは1.7mm(11機種)、2.2mm(10機種)、2.0mm(9機種)で、この3つで6割ほど
- 東芝の6機種は「釜底厚さ」5〜7mm、三菱電機の本炭釜2機種は「釜底中央部10mm」。物差しが違うので社をまたいだ順位はつけられない
- 厚い数字が並んだのは安い側だった。象印は3合マイコン機の5.0mmが最厚で、旗艦の圧力IH機は2.2mm
- 東芝だけは、内釜の名前と数字が対応していた。「備長炭かまど丸釜」なら7mm、「銅かまど丸釜」なら5mm
商品リンクはAmazonの検索リンクです。今回取り上げた3機種は、価格や在庫を確認した時点の表示ではなく、型番で探せる入口として置いています。当サイトはAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトに参加しており、リンク経由の購入で紹介料を得ることがあります。
調査・編集:炊飯図鑑編集部。こつぶは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。
この記事の調べ方と、分からないこと
2026年8月19日に、象印マホービン・パナソニック・タイガー魔法瓶・三菱電機・東芝ライフスタイル・アイリスオーヤマ・シャープ・日立の8社について、メーカー公式サイトのHTMLページだけを開き、内釜の厚みの記載をそのまま書き写しました。編集部がノギスで測ったものではありません。取扱説明書のPDFは、今回は情報源にしていません。買う前にブラウザで比べられる範囲だけを見る、という切り方にしたためです。通販サイト・比較サイト・紹介記事の数値も使っていません。
数え方を先に決めました。「厚釜」「特厚釜」「大火力かまど釜」のように呼び名だけで数値が無いものは、数値ありに数えず「呼称のみ・数値なし」としています。この線を引かないと、言葉の多い社ほど公表しているように見えてしまうためです。
置き場所は社ごとに違いました。象印とパナソニックは商品仕様(スペック)表の中に「釜厚」の行があります。タイガーは商品ページの機能マーク一覧に「なべ厚約2mm」「なべ厚特厚約3mm」といった項目が並び、その機種に当てはまるマークだけが点灯する作りです。東芝は機能一覧ページの「7mm 釜底厚さ」、三菱電機は炊飯器の製品一覧ページ、アイリスオーヤマは銘柄炊きシリーズの特長ページ、シャープは炊飯器ラインアップページの紹介文でした。
集計は2つに分けました。釜全体の厚みとして書かれている52機種(象印18・タイガー16・パナソニック13・アイリスオーヤマ3・シャープ2)と、底の厚みとして書かれている12機種(東芝6・三菱電機6)です。混ぜて平均を取ると意味が壊れます。
計算した数字は4つです。第一に、平均の約2.26mmは52機種の合計117.4mmを52で割ったもの(1.5×3=4.5、1.6×2=3.2、1.7×11=18.7、1.8×2=3.6、2.0×9=18.0、2.1×1=2.1、2.2×10=22.0、2.5×2=5.0、3.0×6=18.0、3.1×3=9.3、4.0×2=8.0、5.0×1=5.0)。第二に、真ん中の値2.0mmは、薄い順に並べた26番目と27番目がどちらも2.0mmだったためです。第三に、幅3.5mm・約3.3倍は5.0mmと1.5mmから出したもの。第四に、1.7mm・2.2mm・2.0mmの合計30機種は、52機種の約57.7%にあたります。どれもメーカーが公表している数字ではなく、編集部の計算です。タイガーの「なべ厚特厚約3mm」は3.0mmとして、「約」つきの値は「約」を外した数として計算しています。
分からなかったことも書いておきます。第一に、三菱電機 NJ-VP10J・NJ-VL18J の3.5mm、NJ-VS10J・NJ-SE06H の2.0mm は、測った場所の但し書きが無く、釜全体か底かを判断できませんでした。このため52機種の集計には入れていません。第二に、象印 NP-ZX10・NP-ZX18 は釜厚1.7mmを確認できましたが、内釜の名称は今回の読み取りでは確定できませんでした。第三に、日立は製品ページの仕様表を今回の読み取りでは取得できず、開けたページの範囲では厚みの数値がありませんでした。第四に、アイリスオーヤマは製品カテゴリーのページに数値のある機種と無い機種が混在し、生産終了品を除いた現行機種の全数は確定できていません(今回数えた3機種は現行の銘柄炊きシリーズです)。第五に、タイガーの「遠赤5層」「遠赤9層」やアイリスオーヤマの「3層」といった層構成について、どの層が何ミリかは公表されていませんでした。第六に、内釜の厚みと炊き上がりの関係、厚みと重さの関係は扱っていません。第七に、同じシリーズの色違いは1つにまとめています。第八に、各社の現行ラインアップを全数そろえたわけではなく、公式サイトで開けた機種を対象にしています。
